2010年7月 富士重工業販促品 1/64 スバル WRX STI 4ドア 5MODELS

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今回は、2010年7月、スバルWRX STI 4ドア のデビューの際に頒布された WRX STI 4ドア 5MODELS を紹介。

 前回の レガシィB4 ブリッツェン の時は、クルマ を買わないとミニチュアがもらえなかったので、クルマ を買ったんですけど、この時は クルマ 買わなくてももらえました。

 一体どうゆうこと 〜 ?

 WRC撤退から 1年半余り 経過した 2010年7月、インプレッサ WRX STI は 「インプレッサ」 を名乗らなくなって、単に 「WRX STI」 と名乗ることになり、当時、国内向けに 「アネシス」 という名称で展開されていた インプレッサ 4ドアセダン をベースにした WRX STI 4ドア が再びラインナップに加わった。

 2007年10月、国内向け インプレッサ シリーズ がすべて 5ドアボディ に統一されて登場した時、個人的には スバルらしい車種展開だな、と思った。

 なぜなら、インプレッサ の フラッグシップ は WRX STI で、そのパッケージは、常に WRC でのベースとしてのポテンシャルアップに直結するものだったからだ。

 GRB型 インプレッサWRX STI では、トランクスペースを削ぎ落とすことによる 「慣性マスの低減」 で、WRC での運動性能の向上を目指すことに主眼に置かれていた訳で、だから スバリスト としては、「その心意気やよし。」 と、まあ、なんというか、ストン と 「腑に落ちる」というか、そんな感じだった 。

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ただ、個人的には スバル の WRCチャレンジ が、このまま プロドライブ とのジョイントで続けていけるのか、「胸騒ぎ」 を覚えていたこともハッキリと記憶している。

 私は、週刊誌よろしく、第三者が 「結果論」 で 「ほうら見ろ!」 とばかりに他人をあれこれ 「コキおろす」 ことは 「無意味」 だと思っている。「結果論」 から失敗の原因を洗い出すことは、同じ過ちを繰り返さないために必要なことだが、ことの経過を知っていて、それができる、そしてそれが本当に必要なのは 当事者 である。

 第三者 はあれこれ詮索して、推論でなにかと 「したり顔」 で語りたがるものだが、所詮、その 「したり顔で」 語る人間の自己満足以外の充足にはまったく何の役にも立たない。

 だが、それにしても、2005年シーズンから始まった低迷から、インプレッサWRC2006 の無残な失敗以降、「当事者」 が原因の洗い出しよりは、その 「戦犯探し」 に汲々とし、マシンのパフォーマンスアップやチーム組織の強化が疎かになりがちだったことは、スバリスト としては率直に残念だった。

 だが、それは 「誰が悪い」 ということではなく、多分、時代が変わったのだと思った。19年も同じことをやってりゃ、その間に自分も変われば相手も変わるものだろう。

 つまり、それぞれが違う場所に向かい始めたんだな、と。

 一方、モータースポーツ は 自動車メーカー にとっての重要な 「マーケティング・ツール」 でもある。市販車両に転用することが困難な、「ラリープロトタイプ」 をレギュレーションで認め、その恩恵を最大限に生かしたマシンが、市販車のパッケージングそのままの シンメトリカルAWD より優位性を発揮するのは当然だとしても、そういった 「勝ち目のない」 ことの分かり切った レギュレーション の中で スバル が WRC を戦う 「意味」 は、一体どこにあるのか ----- 。

 2008年シーズンを持って、スバルのWRCチャレンジが終わったとき、私はやはり涙を流した。

 スバリスト は、口は悪いが、「涙もろい人」 が多いらしい(笑)。

 でもそれは、WRCからの撤退が残念だから、ではなかった。WRCチャレンジに携わった多くの人々 ----- もう逢えない人たちにも ------ に対して、我々 スバリスト に、多くの 「夢」 と 「喜び」 を与えてくれたことに対する、心からの感謝の念だった。

 あんな 「おたんこレギュレーション」 で行われる WRC なんか、放っとけ放っとけ!、と思ってたもんだ(笑)。

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コスト、メンテナンス性、駆動系のフリクションロス、前後左右重量配分、重心嵩など、年産 100万台規模 の乗用車で、AWD での最高のトラクションを実現するパッケージングとしては、私は スバル の シンメトリカルAWD が最もトータルバランスに優れたメカニカル・パッケージだと思う。

 それも、実に 「贅沢」 な。

 何らかの「フロントデフ・リダクション」的な方策を考えなくても、エンジン搭載位置 ----- つまり、フロントデフ の位置 ----- をまだ 「いくらか」 後方に下げる余地はあるように思える。そして、その 「いくらか」 を、その他のメカニカル・パッケージングと有機的に融合させることで、シンメトリカルAWD が、再びコンペティションにおけるアドバンテージを得る可能性はまだまだあるし、それが スバル のエンジニアリングの地平をさらに切り開いていく ブレークスルー ともなるのではないかとも私は思う。

 え?どういう方法かって?

 教えてあげないよっ!チャン♪(笑)

 だから、正確に言えば、「勝ち目のない」 というのは、「間違い」 かも知れない。

 新たに生まれ来るだろう、WRX STI が、ロードゴーイングカー として生を受けるものだとしても、再び コンペティション にその 「存在意義」 を求めるものだとしても、富士重工業 の 技術陣 は シンメトリカルAWD の「真髄」を極め、徹底的に磨きこんできたものになることだろう。

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そういえば、先日、某 セレブ系老舗高級自動車専門誌 の Web版 で、フランクフルトショー に参考出品された 「WRXコンセプト」 について、「WRX を出すのなら、WRC に復帰するのが先だろう。」というような批評が載っていた。

 季節の変わり目だから、頭の具合もおかしくなるのか?

 たかが自動車雑誌編集者風情が、偉そうに何を言っているのだろうか?と私は思った。

 まったく余計なお世話である。1987年に WRC のトップカテゴリーが グループA に移行して以来、FIA による度重なる WRC に関するレギュレーション変更が、市販車との極端な 「乖離」 を潔しとしない スバル にとって、「公平」だったと言えるだろうか?

 私には到底そうは思えない。

 WRC が 「世界ラリー選手権」 という名前とは裏腹に、ヨーロッパ特有の 「ドメスティック」 な競技に過ぎないと多くの人々が気付いたからこそ、放映権は売れず、これだけインターネットが普及した先進各国にあっても FIA のWRCコンテンツの視聴者数が伸び悩んでいるのではないか?

 私はその昔、永らくこの 某 セレブ系老舗高級自動車専門誌 の熱心な読者だった。スバリスト の立場から言えば、この人たちは、昔から スバル にロクな評論を寄せた試しがない。

 その始まりから 富士重工業 への 「辛辣さ」 は奮っている。

 なにしろ 「富士重工業」 とは、スバル360 を 「堕落させ」、スバル1000/ff-1 を「駆逐」し、スバルR-2 を 水冷エンジンに換装した上、「なんと」レックスで 4ストローク に積み替えたメーカーなのである。

 「言葉」というものは、いかようにも選びようがある。面白いことに、ここの場合、他のメーカーに対してこういう言葉は使わない。

 私には子供の頃から、どうして ヤングシリーズ の登場が スバル360 を 「堕落」 させたことになるのか、ff-1 がレオーネ に移行することをどうして殊更非難するのか、排気ガス規制を睨んだ水冷化、4ストローク化がどうしていけないのか、読者だった 20年間 を通じてついに理解できなかった。

 そして、スバル360 に関する記述のほとんどが、富士重工業 自身による、スバル360 の開発・変遷に関するアーカイブである 「The mini history of SUBARU 360 〜スバルの歴史〜」 の 「丸写し」 と思われることも、この人たちへの 「不信感」 を増幅させた。

 私はここの 「御大」 には、おそらく 「御大」 が 富士重工業 というメーカーになんの興味も持っていないと思われるのと同様、関心がなかった。にもかかわらず、永らく読者であり続けたのは、「チーフテスター」の記事から自動車に関するメカニズム、ドライビングの基礎知識を学び、吉田 匠氏の記事から自動車の楽しみ方の奥深さを学んだからだ。

 訣別の決定的なポイントになったのは、BC2 レガシィ 4ドアセダン 1.8Vi の他社ライバル車との比較テストだった。

 「スバル に望まれる something else はもうどこにもない。」

 私は、今でも、この言葉の意味も理解することができない。この言葉は、スバリスト である私に対する 「最大限の侮蔑」 としか受け取りようがなかった。1時間 その意味を考えて、結局、この人たちとは共有すべきものが何もなかったのだという結論に達した。そして、本棚から20年間買い溜めてきた 「その類の書籍」 を、10冊ひとまとめ ----- 11冊でも、12冊でも、バラバラでもよかったかもしれないが ----- で梱包用の麻縄で括り、その月の廃品回収に出した。

 ひとつのことを、20年間 続けるということは、それがどんな下らないことだって並大抵のことではない。それだけ 「裏切られた」 という想いは深かった。

 若かったんだねぇ。

 ずっと後のことだが、この 某 セレブ系老舗高級自動車専門誌 が、「六連星の系譜」 という 見出しを付けているのを書店店頭で見たときは、「よくも白々しくも・・・」と怒りを覚えた次の瞬間、本当に吐き気を催してしまったほどである。

  だが皮肉は続く。その後、この専門誌の長期テスト車として導入された、私が愛する BC5 レガシィRS は、初期ロット特有の 「粗相」 と、ディーラーの対応の不味さも重なり、1年あまりで引退した。

 私は 「とどめ」 を刺されることを覚悟していた。

 そして、店頭で読んだその長期テストの締め括りの言葉を私は忘れることができない。

 「レガシィRS を好きか嫌いかと問われれば、即座に イエス と答えることができる。では人に薦められる車かと問われれば・・・・・小さな ? マーク付きで、やはり イエス と答えてしまうだろう。」

 再び読者に戻ることはあり得ない ----- おそらく生きている限りは ----- けれども、私自身は、今でも、この言葉に 「だけは」 心から感謝している。その時、救われたような、暖かい気持ちになったからだ。

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余談が過ぎた。

 私は、ラリーというコンペティションが公道で行われるものである以上、市販車からそう離れていないクルマで競われるべきだと思う。

 市販ベース車両のパフォーマンスが WRC でのパフォーマンスに直結する、それが 「エンジニアリングの王道」 というものだろう。当たり前のことである。部品の共用化だのコストだの、ユーザーには何の関係もない「内部事情」 で作られた 「お茶漬け」 みたいなクルマが、モナカの 「あんこ」 を入れ替えられて、「WRC で勝ちました!」 と言われたって、そのクルマに乗っているユーザーにしてみても 「だから何?」 ということになるのである。

 目先を変え、手を変え、品を変え、名を変えて登場してくる 「イミテーション」 には、白物家電なみに 「すぐ飽きる」 という致命的な 「欠陥」 がある。

 GVB、GRB は相も変わらず 「いいクルマ」 だ。「素」 の自分を磨くことをやめない 「強さ」 と「頑なさ」。乗り手も自分を磨かなければ、そのすべてを味わい尽くすことなど、到底できない 「奥深さ」 。

 その 「誕生」 をこれほどまでに多くの人々が待ち焦がれている クルマ は、世界でも、そう多くはない。


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